新型 コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報
コルヒチンが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化を防ぐ可能性があるという報道を受けて
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延はいまだ収束の兆しがありませんが、痛風治療薬のコルヒチンが重症化を予防するかもしれないという報道が出てまいりました。当学会から注意喚起の意味でお知らせいたします。
複数の研究報告によると痛風発作の治療薬であるコルヒチンという薬がCOVID-19の重症化を予防する可能性があるそうです。その中で世界6か国4千名以上の患者さんに対して行われた臨床試験がカナダから報告されています。この研究ではCOVID-19により重症化しやすい患者さんの特徴は、70歳以上、高度の肥満、糖尿病、収縮期⾎圧150 mmHg以上の⾼⾎圧、呼吸器疾患や⼼不全、狭心症などの冠動脈疾患の合併、48時間以上続く高熱、呼吸困難症状をお持ちの方でした。そして通常の量のコルヒチン(1日0.5から1.0 mg)を服用した患者さんは、入院に至った割合が25%低下し、人工呼吸器を必要とする割合が50%低下、死亡に至る割合は44%低下したとしています(まだ論文査読中です)。この効果の理由はコルヒチンがもつ炎症反応を抑える作用のためと考えられます。
大変興味深い報道ですが、コルヒチンのCOVID-19に対しての効果はまだ確立されていません。コルヒチンには重篤な副作用もありますので、医師の指示以外の使用は決してなさらないでください。今後も情報提供してまいりますのでときどき本学会のホームページを訪ねてください。